2025.09.22
無垢材×自然素材×Design|サンエム建設
施工事例この記事を書いた人
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
20畳のLDKに20畳用のエアコンを設置するとオーバースペックで値段の高いエアコンを付けて、効率の悪い状態での運転をしている。ではなぜこんな表記がされているんでしょうか?
エアコンの能力を判断するこの畳数表示は1964年に制定されてずーとこの表示の仕方が変わっていません。当時(54年前)はほとんどが無断熱の家だったので、それが基準になったのだろうと推測できます。今でも住宅の7割~8割が無断熱住宅と言われています。
その間エアコンの性能・エネルギー効率はどんどん良くなり、今では住宅の断熱性能も54年前とでは、著しく進歩を遂げて高断熱住宅になっていますが、エアコンのカタログの畳数表示だけが当時のままの無断熱住宅での性能値を参考にしているので矛盾が出てきているのです。
では、お部屋に合った適正なエアコン能力とは?
実は一言で言えないなかなか難しい事なんです。つまり、建築地の気候、家の向き(方角)、隣地の建物状況、家の断熱性能・気密性能によってそれぞれ違ってきます。外的要因を除けば、断熱・気密性能によってある程度決まります。
例えば例に出しますと、弊社のごく一般的な建物の断熱性能基準(HEAT20のG1基準)で建てた家のLDK20畳をエアコンで暖房すると、6畳用のエアコンで十分いけます。最近は首都圏でも最低気温がマイナス温度に達する場合もあるので、余裕をみて8畳用エアコンで十分でしょう。
無断熱の家のエアコンは20畳用が580,000円、HEAT20 G1基準の家のエアコンは8畳用で380,000円、20万円もの金額差があります。
これだけの違いが出てきます。家の断熱性能・気密性能が低い家ほど、エアコンの能力も大きな機種が必要ですし電気代もかかります。
8畳用のエアコンを使い、冬の日差しをたくさん取り入れる間取り(南側に大きな窓を付ける等)、夏は陽ざしを遮断する日除け等を付けて暖冷房効率を上げると、より少ない電気代で冬暖かい、夏涼しい家が出来上がります。
断熱・気密性能で一番熱の出入りが多い場所は開口部(窓や玄関ドア・勝手口ドア)です。次回、日本の窓は外国に比べてどうなのかをお話ししたいと思います。