2024.10.26
外壁の30年保証はすごい!?
この記事を書いた人
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
最近は、家を建てた後のメンテナンスについて、なるべくメンテナンス費用がかからない、極力少なくしたいという方が多くなってきたように感じます。
そこで外壁サイディング(窯業系)のメンテナンスについて、30年保証(沖縄県除く)の商品があるので調べてみました。
「塗膜の変色・褪色30年保証」に対応 とうたっているメーカーがあります。
30年保証を受けるには、サイディング商品の指定、コーキングの指定、金物、ビス等色々制約がありますし、メーカーで認定している施工士が施工しないと保証対象外になります。当然メーカーとしてはそれなりの商品を使用・施工しなければ30年保証が出せないのは、当然の事ですね。
サイディング施工完了からの保証期間と保証内容について調べてみました。(保証期間は途中省略している部分あります)
20年を超え21年まで 製品価格の50%(返金額の上限)
22年を超え23年まで 製品価格の40%(同上)
25年を超え26年まで 製品価格の25%(同上)
28年を超え29年まで 製品価格の10%(同上)
29年を超え30年まで 製品価格の5%(同上) と書かれています。
では施工完了後20年までの場合はどうなのか?
施工後3年目以降20年までの間は、製品価格を経過年数に応じて減額した額を上限としてメーカーが査定した金額 と書かれています。
メーカーとしては、例えば施工完了後20~21年目に塗膜の不具合が生じてきたとクレームがきたときに、それまでは不具合の発生はなかったのだから、その分の費用は減額すべきとの見解で、返金額の上限を決めていると思います。
それに対して建築主としては、「塗膜の変色・褪色30年保証」に対応 と書かれていれば、30年間は100%保証をしてくれるものだと思ってしまいます。これは製造メーカーとエンドユーザーとの認識の違いが大きく異なるところです。
サイディングメーカーとしては最大手クラスのもう1社を比べてみます。
保証内容としては、保証期間が最大15年までとなっています。保証内容については、前社と同じように、10~15年の補償期間は段階的に保証額が少なくなっていくようです。
ただこのメーカーは30年ほど前に無機塗装のサイディングを発売していて、その後30年たっても変色・褪色がしにくい商品という実績があり、その後改良を重ね「光触媒の壁」という商品を出しています。このメーカーの保証期間は前社の半分になりますが、過去の実績にかなり自信があるようです。コーキング材についても同じような高耐候商品を出しています。
物の劣化や色の変化は太陽光の紫外線が一番影響を受けやすいといわれていますが、無機物(無機塗装)は紫外線による劣化・変色がしにくいといわれています。