2024.10.26
LCCM住宅って?
この記事を書いた人
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
【LCCM住宅】という言葉を聞いたことがありますか?
LCCMは、life cycle carbon minus の略で、ライフ・サイクル・カーボン・マイナスと言われる省エネ住宅です。
建築資材を製造する過程、住宅の建築中、完成後の居住中、数十年後の建物の解体廃棄処分までの、トータルでのCO2の排出をマイナスにした住宅のことです。もちろん創エネ(太陽光発電パネル等)の設備が必須になってきますが。
高気密、高断熱の建物を造り、太陽光発電パネルを搭載し、冷暖房負荷を低く抑えて省エネ住宅にするという事は、ZEH(ゼロエネルギー住宅)と同じなのですが、LCCM住宅は、建築資材の製造過程や建築時のエネルギー消費、将来の資材の廃棄までもエネルギー消費(CO2排出量)を算出して、生涯排出エネルギーをマイナスにする住宅のことです。
ですので、 ZEH(ゼロエネルギー住宅) よりも、高気密・高断熱の性能が必要ですし、太陽光発電システムもそれなりに搭載容量が必要になりますし、建築資材も耐久性・耐候性のある製品の使用の検討も必要になってくるので、それなりの建築費は必要になってきます。
おおよそですが、気密性脳はC=0.2、断熱性能はUA=0.3、太陽光発電パネル6.0KW搭載、屋根、外壁、窓等は30年程度耐久性のある商品が必要になってくるようです。※建物のトータルバランスの性能になりますから、必ずしも上記の性能数値が必須という事でありませんが、この性能値に近い住宅になってくると思います。つまりパッシブハウスあるいはそれに近い性能の家がそれに当てはまります。
令和5年度の国の補助金予算では、LCCM住宅で建てると、140万円/戸の補助金が出ます。まだまだこの補助金を使えるような性能の家を建てている方は、ごく少数ですが、少しずつ増えつつあります。(居住者は、補助金がもらえる代わりに、入居後3年間分のエネルギー消費量の報告が必須になります)
今やZEH性能レベルの住宅は当たり前住宅になってきて、2030年にはZEHレベルの家づくりが標準化する事を目標に、国は推し進めています。
弊社が初めて国の補助金事業をお施主様におすすめしたのは11年前でした。当時は長期優良住宅・低炭素住宅の認定を受けると100万円の補助金がもらえました。その後ZEH住宅を建てると150万円(最高額)という時期を経て、今はLCCM住宅を建てると140万円(令和5年度)の補助金がもらえるという時代です。新築の家づくりを検討している方、このような補助金事業を上手に活用してみてはどうでしょうか?
令和5年度 LCCM住宅整備推進事業 の詳しいことはこちら・・・https://lccm-shien.jp/