
2025.03.13
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建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
全館空調方式を採用するために、ルームエアコン1~2台稼働で行う方式としていくつかの組み合わせが挙げられます。どれも建物の大きさ、間取り、階数(平屋か2階建か?)で違ってきます。
① 弊社のスタンダードな方式として、LDKに暖房用エアコン1台、2階天井上の小屋裏エアコン室に冷房用エアコン1台設置する方式です。これは暖気・冷気の暖かい空気は上に、冷たい空気は下にという空気の特性を生かし、プラス暖気・冷気を換気システムの空気の流れに乗せて、屋内全体の空調を行うというやり方です。
② 二世帯住宅でフロアごとに世帯が別々の場合、ほとんどの場合建物自体が大きくなる傾向があるので、フロアごとに全館空調を考えます。1階は1階だけの冷暖房、2階は2階だけの冷暖房、換気システムもそれぞれのフロアで考えます。 この場合、2階はLDKに暖房用エアコン1台を設置、小屋裏エアコン室に冷房用エアコン1台を設置、1階についてはLDKに暖房用エアコン1台を設置しますが、冷房用エアコンは小屋裏エアコン室のスペースが取れないので、LDKのエアコンを冷暖房兼用として使用します。ただ1階の大きさ、間取りによって隅々まで暖気・冷気が届かない場合は、ダクト式循環用ファンをエアコンと併用して稼働させます。
③土地がコンパクトで、建築基準法の高さ制限や斜線制限で小屋裏エアコン室が造れない場合は、床下エアコン方式を採用する場合があります。エアコンから吹き出す暖気を床下に吹込み、コンパクト換気扇で室内に呼び込む方式です。冷気も同様の方式で流れを作ります。一般的に冷気を床下等に呼び込むと結露が発生すると言われていますが、換気扇により強制的に空気の流れを作りだしているので結露はしません(全館空調機器メーカーにて実証済)。この方式はフロアごとに床下エアコンを設置します。
どの方式でも、家の中はどこにいても室温差が2~3℃以内、オープン的な間取りほど、空気循環がしやすくなるので、2℃以内くらいに抑えることは可能です。各方式はそれぞれ特徴があるので、その家にあった全館空調方式を取り入れればエネルギー消費削減効率も良くなると思います。