
2025.09.22
無垢材×自然素材×Design|サンエム建設
施工事例この記事を書いた人
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
2024年の5月にお引き渡しをしたパッシブ仕様のお宅が8月でやっと1年たち、光熱費の集計が出来る事となりました。冬と夏は24時間1日中エアコンの冷暖房は入れっぱなし、1年中心地良い環境つくりをしたら電気代はどうなったか? 1年間の光熱費を見ていきます。
建築条件(立地・断熱性能・気密性能他)
建築地:埼玉県ふじみ野市 家族:3人 建物規模:木造2階建て 延べ坪30坪 建物性能:UA値=0.26 C値=0.2 開口部:樹脂トリプルガラス 屋根断熱 外壁:充填+付加断熱 基礎断熱 太陽光発電パネル:8.16kw搭載
立地条件として、南側に3階建ての住宅が建っているので太陽光発電の効率が低下することは予想してましたが、工事中に朝夕2回足場に登り南側の建物からの影を観察すると、太陽光パネルに日差しが全体にあたりだすのは朝1時間程度遅く・夕方日差しが当たらなくなるのは1.5時間程度早い事がわかりました。そして建物の向きが真南を軸に東に45°向いているので条件としてはあまり良好な立地条件とは言えない状況です。
3階建ての日陰の影響で発電効率がやや低下することがわかっていましたので、搭載量を少し多めに計算して、340W×24枚=8.16kwを載せることにしました。
そんな条件下で建てた建物の1年経過後の光熱費を見てみると、こんな感じでした。2024年5月のゴールデンウィーク中のお引き渡しでしたが、太陽光発電の売電が東京電力との連系が完了していなかったので、2024年9月~2025年8月までの1年間のデータとなります。
太陽光パネル容量:8.16kw 建物向き:真南を軸に東におよそ45°向いている 東京電力との電気契約内容:スマートライフS 60A 水道料金除く
上の表からまず驚いた事は、太陽光パネルの1年間の発電量です。当初、長州産業(太陽光パネルメーカー)さんの年間推定発電量は9,398kwh(下のグラフ)、実際の発電量は10,419kwh(上表C)でむしろ予想よりも多くなり、南側隣地3階建てによる日陰の影響はほとんど見受けられません。多分今年の夏の猛暑、少雨が影響しているのではないかと思われます。
実際消費された電気量(kwh)は、上表には表示されていない隠れた消費電気量があるのです。それは、太陽光パネルで発電した電気を昼間に消費(自家消費)しており、余った電気を売電という方式をとっているので、その自家消費電力量が隠れています。
実際消費された電気量は、使用電力量+自家消費電力量の合計となりますので、
実際消費された電気量 = A +(CーD)= 3,283 +(10,419 - 7,067)= 6,635kwh
太陽光発電量=10,419kwh(1年間) 自家消費した電気量(上表C-D)=3,352kwh(1年間) ※本来電気代として払うべきものが自家消費の電気なので電気代0円となっている 売電した電力量(上表D)=7,067kwh(1年間) 買電した電力量(上表A)=3,283kwh(1年間) 実際使った電気量=上表の電気消費量6,635kwh(1年間)
もし太陽光発電パネルがなかったとした場合の実際使った電気料金は、
118,052円+3,352kwh×36円(1年間の平均単価、基本料金も含む)=238,724円 1ヶ月電気料金は、19,894円となります。 このような超高断熱・超高気密な家で暮らしていても、このくらいの電気代は発生してしまいますので、太陽光発電パネルを搭載していない家で断熱性能が低いと、もっと電気代がかさむという事になってきます。
【今度は太陽光パネル搭載の家の場合】実際の電気代は自家消費も考慮するとなんと▲114,396円 そして1ヶ月の電気代を総合してみると ▲114,396/12 = ▲9,533円 毎月 9,533円マイナスとなっています。 これってスゴッ! 毎月の光熱費の支払いに悩まなくていいですね!