2024.10.26
家中に放出されている有害物質
この記事を書いた人
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
私たちの暮らしの中には、家づくりも含めて工場での大量生産による物(商品)、製品であふれ かえっています。各製品の製造メーカーは大量生産によるコスト削減をするために、製品の画一 化、品質の均一化を目指しています。 しかし、製品コストを下げようとすることにより人間の体が適応できない物質(有害物質)まで もが使われることがあります。これは原材料の安さ、製品加工のしやすさが理由としてあげられます。
国は今、基準値を定めて有害物質の使用規制をしていますが、逆を返せば規制されていない、有害かもしれない物質はまかり通っているのです。これだけ有害物質を使用した製品・商品が氾濫 していると人間の感覚もマヒしてしまっているのでしょう。
人間の一生のおよそ 1/3~1/2 が新しく建てた住まいの中で暮らしていると言います。実に長い期間を家族と共に生活をするのです。
現代の生活から 100%有害物質を取り除いて生活をするには、100%自然からとった木を使って山小屋を建て、山中にこもり自給自足の生活をしない限り不可能です。 でも私たちの生活から極力有害物質を少なくして暮らしていくことは可能だと思います。
昔の日本では、床には杉やヒノキの無垢板を張り、壁は漆喰を塗り、天井は杉板を張っていた家屋があちこちで見られました。隙間風の多い家でしたが、ある意味、まさに健康住宅であったわけです。
健康素材、自然素材といわれるものは、空気中に有害物質を発散させない物であり、無垢の木、漆喰、和紙などがあげられます。今一度無垢材や漆喰などの健康素材を見直してみる事も、必要 ではないかと思います。
国がその様な有害物質の規制をし、生産メーカーはその基準値以下になるよう商品を作ります。でも規制前よりも少なくなっただけで、ゼロになったわけではありません。
健康を維持していくには、国の規制基準に頼らず、自分たちで考え、子供たちのために安全・安心な素材を選んでいくしかないのです。
※有害物質については、厚生労働省指定 13 項目のうちの代表的な 7 項目を記載しました。