2024.10.26
結露はなぜ起こるの?②
この記事を書いた人
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
例えばある室内の気温25℃、相対湿度60%の場合、露天温度は16.7℃なので、室内温度が16.7℃以下に下がると結露が表面化して目に見えるような水滴となります。
コップにつめたい水を入れて置いておくとコップの周りの空気が冷やされて、コップの表面に水滴がつきますが、これが表面化した水滴です。
建物の窓も同じように、冬季は室内温度22℃、湿度50%(くらいだと思われます)の状態ですと、露天温度は11.1℃になります。すなわち窓のガラスやアルミの枠の温度が11.1℃を下回ると結露(水滴)発生となります。当然真冬の夜は0℃あるいはマイナス4℃くらいまで下がりますので、当然ガラスやアルミ枠も5℃近くまで下がりますから結露が起こるのは当然なのです。
では結露が起こらないようにするにはどうしたらよいか?
ガラスやアルミ枠を真冬でも11.1℃まで下がらないような部材を使っているものを使えばいいんです。例えばガラスはペアガラスやトリプルガラス(ガラス3枚)、アルミ枠でなくてオール樹脂枠、ガラスとガラスの空間を保持するために四方に入っているスペーサーをアルミではなくて樹脂にする、というようなことが考えられます。
このスペーサーという部材は、結構重要な役目をしている部材です。通常アルミサッシではスペーサーはアルミ部材を使いますが、オール樹脂サッシになると樹脂スペーサーを使います。アルミは樹脂よりも1000倍熱の伝わり方(熱伝導率)が大きいので、アルミスペーサーを使っていると、ペアガラスでもガラスの四方の隅のほうがうっすら結露する現象が起こることがあります。(実際は住空間の湿度環境にもよりますが)
結論! 窓はオール樹脂サッシを使うことをお勧めいたします。もちろんアルミサッシより価格は高いので、予算的なことも検討しなければいけないですね。