2024.10.26
【パッシブデザイン住宅ふじみ野】基礎工事編2
この記事を書いた人
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
基礎工事も鉄筋工事に入ってきました。30~40年前のコンクリート基礎(2階建て住宅)は、ほとんどの会社では布基礎が主流で、べた基礎方式はほとんど見かけませんでした。今はほとんどの会社がべた基礎工法の施工を行っています。
そのころから比較すると、今は鉄筋量も増えピッチも細かく配筋、そしてコンクリートの強度も考慮して施工する鉄筋コンクリート基礎は、地震に強い住宅になったと思います。
べた基礎工法は、全体がスラブ(土間コンクリート床)でつながっているので、地盤の不動沈下が起きた場合、影響を受けにくいと言われています。構造計算により鉄筋の太さ、ピッチ(鉄筋間の寸法)、コンクリートの厚さ・強度等を算出し、施工していくという方法になりました。
私が建築会社に入社した若き頃は、コンクリートの中に鉄筋が入っておらず、鉄筋コンクリート基礎ではなく、まさにコンクリート基礎工法が主流でした。私が監督2~3年目のころから、ようやくコンクリートの中に鉄筋を入れ始め、鉄筋コンクリート基礎工法になっていったのです。
でも、鉄筋を使い始めたころは、詳細な構造計算をして鉄筋の量・位置を出すことはしておらず、鉄筋のピッチ(鉄筋間の間隔)が30cm間隔で入っていれば大丈夫みたいな感覚で施工していました。(もちろん木造の2階建ての住宅に限ってのことですが・・・) 多分現存している木造住宅(在来工法)の多くが、コンクリート基礎の中に鉄筋が入っていないか、少量の鉄筋量が入った鉄筋コンクリート基礎か、どちらかですね。
鉄筋が集中して設置するカ所もあり、コンクリートとのかぶり厚さや密着度に注意をする必要が出てきます。コンクリートと鉄筋はお互いの欠点を補う相互関係があり、コンクリートは圧縮の荷重には強いが引っ張りの力には弱い性質があり、鉄筋は圧縮の荷重には弱いが引っ張りの力には強いという性質を利用して頑丈な鉄筋コンクリート基礎が出来ています。ですので、集中的に鉄筋が配置されるようなカ所だと鉄筋の周りにコンクリートが密着されず空洞ができ、本来の強度が出ず、強度不足なんてことが発生する可能性もあります。
鉄筋はたくさん使えば良いとは限らないので、気を付けよう!