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家づくりコラム
2015.08.25

家を建てるなら床断熱か?基礎断熱か?

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

最近の家づくりにおいては省エネ住宅、ゼロエネ住宅、パッシブハウス等々高性能な家が多くなってきました。共通して言える事は断熱性能の良い家です。室内と屋外との間の外壁や窓の断熱性能を良くして省エネルギーの家を建てようという事です。 その断熱の仕方には、床下と関係する部分においては床断熱と基礎断熱の施工方法に分かれます。外壁においては壁の中に入れる充填断熱、壁の躯体の外に付ける外断熱とに分かれます。 今回は、床断熱工法と基礎断熱工法の事をお話しいたします。 時々、お客様から床断熱工法と基礎断熱工法はどっちがいいの? と聞かれることがあります。 床断熱は1階の床の下は屋外という考え方で、フローリング材のすぐ下に断熱材を設置します。 ですから床下の換気を良くするための工夫がされています。外から床下にたくさんの風を取り入れて、材木等を乾燥させて白蟻に食べられないようにしているのです。   kiso2.jpg もう一つの基礎断熱は、1階の床の下は室内という考え方なのです。全く逆の考え方です。ですから、床断熱のような外気を取り入れる換気口のようなものはないのです。床下の換気は密閉された状態で、換気扇等で強制的に空気を循環させたりします。換気扇を作動させないと床下に湿気がたまり場合によっては結露が発生することも見受けられます。それも24時間1年中換気扇は回しっ放しです。 kiso1.jpg 家が完成後1年~2年ぐらいは、材木や基礎コンクリートの乾燥による湿気の放出により、床下に湿気が溜まりやすくなります。ですから換気扇を使って上手に換気計画をしないと床下にカビ、ダニ、シロアリ発生の原因になりやすく注意が必要です。 では、床断熱式と基礎断熱式はどっちが断熱性能がいいのだろう?と考えた時、私はたいして変わらないと思っています。 首都圏であれば床断熱でも基礎断熱でもどちらでもOKだと思っています。 確かに昔の家は床が冷たく、床断熱方式しかなかったので床断熱式は冬冷たく足元が寒いというイメージが強く、基礎断熱式にする方も多いと聞きます。 今は、断熱材そのものの性能が10年前と比べてはるかにアップしており、冬床が冷たく足が冷えるのはもう昔のことです。(でもローコスト住宅はわかりませんが・・・) 基礎断熱式の場合は、1年中換気扇を回しっ放しにしておかないと弊害が出てきます。たとえば電気代がもったいないからと言って換気扇を止めたり点けたりしていると、湿気を含んだ空気が床下によどみ、カビ、ダニの発生が心配されます。換気扇も耐用年数過ぎたら交換しなければならず多額の出費が発生します。 日本は高温多湿、雨の多い風土です。自然の力にはかないません。また、人間は自然の力を利用して暮らしてきました。外気を自然に床下に取り入れ乾燥させる、電気代も一切かからない、機械に頼らない、そんな暮らし方の方が素敵な様な気がしますがどう思いますか?

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