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高気密&高断熱
2022.08.27

パッシブハウスQ&A

この記事を書いた人

代表取締役
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家

建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。

パッシブハウス(超高気密高断熱住宅)についてのいろいろなご質問の中から、特に関心のある内容を掲載しました。これから高気密高断熱を建てようと検討している方へ参考になれば幸いです。

Q1.パッシブハウスとは?

A1. 英語でPassiveと書きますが、その意味は『受け身の、受動性の』という意味で、パッシブハウスは『自然の力(太陽熱や風、樹木)を利用しながら快適な生活をおくる家』という事になります。

近年人の暮らしは電気やガス等を消費して快適な暮らしを得ようとどんどん進化しています。そしてCO2をどんどん掃き出して地球温暖化を加速させています。

パッシブハウスは自然エネルギーを最大限に利用して、石油、石炭や天然ガスの使用を最小限に抑えた生活環境をつくることを目的としています。パッシブデザインという言葉も使われますが、全く同じ考え方で造られた家です。

Q2.高断熱・高気密住宅と何が違うの?

A2. 勿論パッシブハウスは高気密・高断熱の家なのですが、それは冷暖房の考え方です。一般的に『高気密高断熱』と呼ばれる住宅は、冷暖房の方法については特に法的な決まりはなく、床暖房を採り入れる家、各部屋にエアコンを設置する家、薪ストーブを設置する家と様々です。

パッシブハウスも『高気密高断熱』の一種ではありますが、冷暖房に関しては「エアコン一台で家中快適に過ごせること」、つまり冷暖房エネルギーに頼りすぎないことが前提です。

もう1つ、パッシブハウスと高気密高断熱住宅の違いとして、パッシブハウスでは自然エネルギーの利用を重視している点にあります。

パッシブハウスでは昼間の太陽光を取り込むことで冬の室内を保温し、夏は庇やシェードなどを利用して日射を遮り、春秋は窓を開けて風を通します、冷暖房設備に依存しないエコ住宅が完成するのです。

※一般的に断熱性能UA値=0.87以下、気密性能C値=1.0以下が高気密高断熱住宅といわれていますが、弊社パッシブハウスのUA値は1/3以下の0.26、C値は1/5以下の0.16が標準性能となっています。

Q3.結露は大丈夫?

A3. 外壁内には充填断熱だけでなく外気側に外断熱を施工します。いわゆるダブル断熱工法です。窓は樹脂サッシでトリプルガラス、ガラスの四方には樹脂スペーサーが取付けられていますので、殆ど結露することはありません。

壁体内結露については、事前に結露の有無を計算し安全性を確かめています。断熱材の素材や厚み、組み合わせにより結露が発生する場合があるからです。高性能な断熱材を使用しても結露を作る家にしてしまったらカビダニの発生を助長してしまいますので事前の結露計算は重要です。

Q4.ヒートショック防止に効果があるの?

A4. パッシブハウスは超高気密超高断熱に加え全館空調方式を採用しています。ですから建物内のどこにいても24時間ほぼ一定の室温を保っており、夏季は約26~28℃、冬季は約19℃~22℃の室温を保ちます。玄関・トイレ・浴室等も前述に近い温度設定になります。

Q5.全館空調方式とは?

A5. 弊社もパッシブハウスには全館空調方式を取り入れています。ただ全館空調方式といっても大きく分けて2種類の方式があります。

① ほとんどの大手ハウスメーカー、ビルダーが採用している冷暖房空調システムで、能力の大きなエアコン機器を天井裏等に設置し、そこからダクトで各部屋・非居室スペースに冷気・暖気を送り込みます。そのため電気もそれなりに消費するので、パッシブハウスとは言い難いシステムです。機械に頼る全館空調とでもいえばよいでしょうか?この方式の機器は、十数年後に壊れ冷暖房機器の交換が来た時に200~300万円の費用の出費が発生します。

② ほんの一部の工務店で採用している冷暖房方式で、最優先項目は屋根・外壁・基礎及び開口部(窓等)の断熱性能、気密性能を大幅にUPすることでエネルギー消費量を極限まで減らすことです。ですから冷暖房機器は家電店で販売している市販エアコン1台(冷房用1台、暖房用1台どちらかの単独稼働)で十分賄えます。機器の寿命で交換時期が来た時には、市販エアコン2台分(約30万円)の費用しか掛かりません。まさに機械に頼らない全館空調なのです。

Q6.パッシブハウスにするとどんなメリットがあるの?

A6. ①一番実感していただけるのが、日々の光熱費の削減です。太陽光発電パネルの搭載容量にもよりますが、6kw程度の積載容量で光熱費がほぼゼロ(※1)に近い生活環境を造り出せます。しかも24時間365日いつでもどこにいても変わらない環境です。

ただ、建築地の地域性、近隣環境、建物の大きさ・形により違ってきますので、必ずしも同じような結果が出るとは限りません。冬は暖房費削減のために、晴天の日には陽射しをたくさん取り入れて、その熱エネルギーを利用して夜も無暖房にするわけですが、近隣建物が密集していると陽射しを取り込むことが少ない為、陽射しの有効利用が出来ないという場合もあります。その場合は少し機器の力を借りて暖房をしていくという事になります。しかし夏は逆作用が働きエネルギーの削減ができるという事になります。

②外からの音の侵入(騒音)、室内で発生する音(子供のはしゃぎ声等)漏れが極端に少なくなります。

③気密性、断熱性を超高性能化するために外気と室内空気の行き来するような隙間はすべてシャットアウトするので昆虫や害虫の発生・侵入が少ないと言われます。

Q7.パッシブハウスの日々のメンテナンス費用はどのくらいかかるの?

A7. 日常は冷暖房機器のフィルター、第1種換気設備機器のフィルターの定期的な掃除等だけになりますのでほとんど費用は発生しません。

Q8.パッシブハウスの建築費はどのくらい?

A8. 建物の大きさ及びPLANにより異なりますが、建築費の大まかな目安として35坪程度の建物で75~85万円/坪(税別※2)くらいになります。詳しいことは弊社までお問い合わせください。

Q9.パッシブハウスのランニングコストはどのくらい?

A9. 前述のとおりランニングコストは0円に近い状態です。実際にパッシブハウスを建てたお客様のご協力により1年間の光熱費の推移を見える化しました。

詳しい情報は下記のサイトでご覧いただけます。

https://www.san-m.net/2022/07/03/5308/

※1 近年世界情勢の影響で石油や天然ガス等のエネルギー価格が高騰しているため、必ずしも光熱費がゼロ円にならない可能性があります。 ※2 上記価格は建物価格になり、既存建物解体、外構、土地に関係する工事、許可申請・工事管理費及び諸経費は別途となります。

 

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