2024.10.26
家づくりコラム
2017.02.21
入居前に大改修工事!
この記事を書いた人
サンエム建設株式会社代表取締役 大山剛人
パッシブハウスを中心とする高気密・高断熱住宅の専門家
建築歴45年、創業は1999年。100年快適に住める健康住宅を思い高気密・高断熱を極めパッシブハウス住宅をわかりやすくお伝えします。
少し前の話になりますが、景気も良く住宅業界も忙しい頃の出来事です。
私が大手ビルダーで現場監督をやっていた頃、大工さんが不足気味の時期があり会社で大工さん の募集をしていました。そこに大工職として応募があり採用したのですが、これが大騒動の始まりでした。
同僚が担当していた新築現場が、大工工事・内装仕上げ工事と進み、やっと完成しました。
でもフタを開けてみたら、とんでもない有様、 お客様からは、『子供の夏休みの(宿題の)工作じゃないんだから!!どうしてくれるの!!』と 激怒される始末。 いたる所が、大工の匠の技とは到底思えないような仕上がりでした。大工(大九)どころか大八ぐ らいの腕だったのです。
結局はお引渡しにならず、急きょ別の大工さんにお願いして、新築なのに、入居前に大改修工事 をしてお引渡しをしました。でも、お施主様としては、新築にメスを入れて傷物にされたという感覚がどうしてもぬぐい切れず、その後もイライラした日々をその家で過ごしたそうです。
一生に一度の大きな買い物が、一生に一度の最大の後悔になってしまったのです。
やはり、売上主義に走ると『家づくり』の観点がずれてしまいます。家づくりはお施主様主体になって考えないといけないのに、施工会社主体の考えで進んでしまったために問題が発生したのだと思います。
その後、私が起業するという一つのきっかけになった大騒動でした。